‐第18章 仕事の生産性を高める(2):管理とツール まとめ‐
プロセスを管理する必要はあるが「管理する対象は、仕事であって働き手ではない」という点を押さえること。管理は働き手のツールであり、ツールに働き手が使われるようなことがあってはならない。また、管理は「例外」をもとに行われ、フィードバックが生じるものでなくてはならない。最後に、ツールに関しても「この仕事を簡単にこなすための、最もシンプルで小型軽量のツールは何か」という問いを念頭に置き、生産性を高め、働き手の達成感を引き出すという条件を満たすものでなければならない。
本章からの抜粋は以下とした。
1. 仕事とプロセスの管理
・仕事とはプロセスであり、あらゆるプロセスは管理する必要がある。・・・(中略)・・・何よりも先に押さえておくべきは、「業務プロセスを管理する際の対象は、あくまでも仕事であって働き手ではない」という点である。管理は働き手のツールであり、働き手がツールに使われるような事態は、絶対にあってはならない。
・絶えず意識しておくべきだが、管理とは経済上の原則であり、倫理上の原則ではない。・・・(中略)・・・「プロセスを維持するためには、最小限、どれだけの管理が求められるか」こそ、適切な問いである。
・第二に管理とは、基本的に「例外」をもとに行われるものだ。標準から大きく外れた事象が起きた場合にだけ、管理の出番となる。
・第三に管理とは、すでに終わった仕事からのフィードバックをもとに行うものである。
・以上から、管理システムは、どこに管理手段を設けるべきか、その重要ポイントを示すものでなくてはいけないとわかる。これは技術上の判断というよりも、主としてマネジメント上の判断である。
2. 定型処理と例外処理 ~ 定型作業の三タイプ
・管理システムが対処できるのは定型的な業務だけである。例外の発生は検知できなくてはならないが、対処はできない。できるのは、プロセスそのものに支障が生じないようにするだけである。
・例外の発生を防ぐのは不可能だが、業務プロセスから取り除くことはできる。例外だけを個別に扱えばいいのだ。・・・(中略)・・・管理システムを設計するのは、何が定型で何が例外かをじっくり考える必要がある。
・定型作業の三タイプ
- 入力と出力が共に画一化された作業
- 表面的には多彩に見えるが、実際にはいくつかの定型作業が組み合わさったもの
- 独自性の高い案件を扱うプロセス(知識労働がこのタイプに属する。筆者追記)
3. 仕事とツール ~ 肉体労働を超えて
・仕事の生産性を高めるためには、締めくくりとして、それぞれの仕事に適した道具を選ばなくてはいけない。
・マネジャーが問うべきは、「この仕事を簡単にこなすための、最もシンプルで小型軽量のツールは何か」という問いを常々念頭に置くべきなのだ。
・第二の簡潔な決まりは、ツールは仕事をこなすためにある、というものだ。ツールのために仕事があるのではない。ツールはあくまでも生産に役立つために存在する。・・・(中略)・・・いずれにせよ、ツールはすべて人間のために存在する。このため、仕事の生産性を高め、働き手の達成感を引き出すという、二つの要素を満たさなくてはいけない。
・機械化は、適切に使いこなしさえすれば、常に人間の可能性を広げ、目的を達成するうえでの力になる。さもなければ、設計が誤っているのだ。
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