‐第17章 仕事の生産性を高める(1):仕事とプロセス まとめ‐
働き手の労働意欲を満たす第一歩は、仕事の生産性を高めることである。仕事の生産性を高めるには「分析」「統合」「コントロール」「ツール」を用意するステップが必要とされる。また、多くの組織おいて、業務ごとに異なる生産原理を取り入れるのが望ましく、そのためにはマネジャーが直接、組織の業務と生産プロセスを分析しなくてはならない。併せて、生産の各基本原理とその特徴、限界、要件などを理解することも必須となる。
本章からの抜粋は以下とした。
1. 仕事そのものは変化しない
・仕事の生産性を高めるためには、「仕事の中身は普遍的で変化せず、技能や知識は仕事そのものではなく労働に宿っている」と理解しておくことが欠かせない。
・働き手の労働意欲を満たす第一歩としては、仕事の生産性を高めなくてはいけない。・・・(中略)・・・仕事の生産性を高めるには、四つのステップが必要とされ、そのそれぞれが異なる特徴と要件を備えている。
- 第一のステップは「分析」である
- 第二に「統合」というステップが欠かせない
- 第三のステップは「コントロール」である
- 第四に、適切な「ツール」を用意しなくてはならない
2. ステップ1:分析 ~ 一貫生産
・仕事を分析するにあたっては、何よりも先に次のように自問する必要がある。「何を生産しようとしているのか?」「そもそも何が仕事だろうか?」「最も容易に仕事を行い、生産性と効果を最大限に引き出すためには、最終成果物をどのように設計すればよいか?」
・最終成果の基本仕様は、作り手ではなく使い手のニーズや価値観に合わせて決めるのが筋だ。
・経営者は、仕事の分析と業務構造の分析とでは理屈がまったく異なることを、知っておくべきである。前者は仕事の、後者は労働の論理に従うのだ。
・これまでのところ、四つの生産原理が広く知られている。・・・(中略)・・・四つのシステムとは、(1)個別生産、(2)画一的な大量生産、(3)非画一的な大量生産、(4)一貫生産である。
・事業マネジメントにおいて心得ておくべき肝は以下の四つである。
- どのシステムを用いるべきかを見極める
- そのシステムの原則をできる限り守る
- 可能な箇所には、より先進的なシステムを取り入れる
- 各システムを運用するうえでのマネジメント要件を理解する
3. 各生産原理の要件
・生産組織が高度化すると、それにつれて将来に関わる意思決定の重みが増していく。
・多くの企業や公的機関においては、業務ごとに異なる生産原理を取り入れるのが望ましい。・・・(中略)・・・かりに、段階ごとに異なる原理を採用すべきと判断したなら、それぞれの段階を切り離し、互いの干渉を避けるよう努める必要がある。
・これは他社を模倣しただけでできるような仕事ではない。企業にせよ、公的機関にせよ、上層部が直々に組織の業務と生産プロセスを分析しなくてはならない。併せて、生産の各基本原理とその特徴、限界、要件などを理解することも欠かせない。
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