【要約】第5章 最も重要なことに集中せよ

‐第5章 最も重要なことに集中せよ まとめ‐

集中とは「真に意味あることは何か」「最も重要なことは何か」という観点から仕事について自ら意思決定をする勇気のことである。この集中こそが成果をあげるための秘訣であり、時間と仕事の主人となるための唯一の方法である。そのためには、生産的でなくなった過去のものを計画的に捨てること、劣後順位の決定とその決定を遵守することが重要となる。優先順位の決定には以下、四つの原則を念頭に置くこと。

(1)過去ではなく未来を選ぶ

(2)問題ではなく機会に焦点を合わせる

(3)横並びではなく独自性をもつ

(4)無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ

 

本章からの抜粋は以下の通り。

1. 一つのことに集中せよ

・成果をあげるための秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。

・時間と労力と資源を集中するほど、実際にやれる仕事の数と種類は多くなる。

 【成果の上がらない人の特徴】

  1. 仕事に必要な時間を過小評価する。
  2. 急ぐ。
  3. 同時にいくつかのことをしようとする。

2. 過去を計画的に廃棄する

・集中のための第一の原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。

・「まだ行っていなかったとして、いまこれに手を付けるか」を問う。答えが無条件のイエスでない限り、やめるか大幅に縮小するべきである。

・完全な失敗を捨てることは難しくない。自然に消滅する。ところが昨日の成功は非生産的となったあとも生き続ける。もう一つ、それよりもはるかに危険なものがある。本来うまくいくべきでありながら、なぜか成果の上がらないまま続けている仕事である。

・つまるところ、成果をあげる者は、新しい活動を始める前に必ず古い活動を捨てる。

・あらゆる計画や活動を定期的に審査し、有効性が証明されないものは廃棄するようにするならば、最も頑強な官僚組織においてさえ創造性は驚くほど刺激されていく。

 

3. 劣後順位の決定が重要

・トップ本来の仕事は、昨日に由来する危機を解決することではなく今日と違う明日をつくり出すことであり、それゆえに、常に後回しにしようと思えばできる仕事である。

・状況の圧力に支配されるトップは、トップ以外の誰にもできないもう一つの仕事、すなわち、組織の外部に注意を払うという仕事をないがしろにしてしまう。

・集中できるものがあまりに少ないのは、劣後順位の決定、すなわち取り組むべきでない仕事の決定とその決定の遵守が至難だからである。

・優先事項を列挙し、そのすべてに少しずつ手を付けることによって弁解の余地をつくっておくほうがはるかに容易である。みなを満足させられる。もちろんこの方法の唯一の欠点は、何事もなされないという結果に終わることである。

・優先順位の決定について最も重要なことは分析ではなく勇気である。

 

 【優先順位決定の原則】

  1. 過去ではなく未来を選ぶこと。
  2. 問題ではなく機会に焦点を合わせること。
  3. 横並びではなく独自性をもつこと。
  4. 無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶこと。

 

・集中とは、「真に意味あることは何か」「最も重要なことは何か」という観点から時間と仕事について自ら意思決定をする勇気のことである。